ユネスコジャパンが立ち向かう現代社会の不安
私たちを取り巻く現代の日本社会にはひきこもりにつながる様々な不安要素がたくさん存在しています。
・失業やリストラのリスク、低賃金や非正規雇用の増加などの経済的不安
・学校や職場での人間関係やトラウマ的経験
・障害を抱えて日常生活を送ることへの生きづらさやうつ病などの精神疾患の増加
・経済的・精神的に支えあえる環境の不足などの問題
・オンラインでの人間関係が主流になり、対面での交流が減少
これらの不安要素に思い当たる節はありませんか?
自身が経験されたり、身近な人の経験談を聞かれたりしたことがあるのではないでしょうか。現代の日本社会では、このような不安要素が複雑に絡み合うことで誰もがひきこもりになる可能性があり、決して他人事として見過ごして良い問題ではありません。
ひきこもりからの脱却
ひきこもり当事者や、何らかの障害を抱える当事者は、今の状況を好んでいる方はいません。むしろ、「何とかしたい」、「どうやったら変われるだろう」と悩まれています。
また、何か始めようと行動を起こしても、「仲間はずれにされたらどうしよう」、「失敗したらどうしよう」という不安や恐怖と闘っています。
当事者の「怠け」や「甘え」の問題という視点では、ひきこもりの理解や課題解決には結びつきません。
このような状況から脱却するためには、無理をせずに段階的に行動を増やし、心身の負担を減らしながら社会とのつながりを取り戻すことが大切です。
- まずは「心の準備」をする
- ひきこもりになったことを責めずに「今は充電期間」と考えることが大切です。
- いきなり大きく変わろうとせず、まずは「昨日より少し動けたらOK」という気持ちで過ごしてみましょう。
- 「毎日決まった時間に起きる」、「目が覚めたら朝日を浴びる」、「軽い運動をする」など生活リズムを整えることにつながる自宅で行える小さな目標を設定しましょう。
- 環境を少しずつ変える
- 「服を着替える」、「顔を洗う」、「ひげをそる」など、外出目的はなくても、気持ちを切り替えるために、できる範囲で身なりを整えるようにしましょう。
- 「いらない物を思い切って処分する」、「乱雑に置いていたもの整頓する」など、部屋の雰囲気を変えると気持ちがリフレッシュされ、新しい行動がしやすくなります。
- 「窓を開けて深呼吸をする」、「ベランダや庭に出る」、「近所を散歩する」など、無理のない範囲で外の世界に触れる時間を増やしていきましょう
- 趣味や興味のあるものを活かす
- 「本屋や図書館で気になる本を探してみる」、「音楽や映画を通じて外の世界とつながる」など、好きなことや興味のあることなら行動を広げるきっかけとなります。
- 小さな成功体験を積む
- 「今日は部屋の掃除ができた」、「今日は庭の草抜きができた」、「今日は家の近所を10分散歩できた」、「カフェに行けた」など、小さな成功体験を記録し、自己肯定感を高めましょう。
- 外出できたら、「好きなスイーツを買って食べる」、「気になっていた新しい漫画や本を買う」、「いつもより少しリッチなコーヒーや紅茶を飲む」などの、ちょっとしたご褒美を用意するとモチベーションが上がります。
- 相談できる相手を見つける
- 信頼できる相手に少しずつ相談することで気持ちが楽になることがあります。
- 家族や友人の理解が得られず苦しんでいる方は、SNSやオンラインを利用し、興味のあるコミュニティに参加することで、同じような境遇の仲間と悩みを共有でき、その交流をきっかけに、外の世界へ一歩踏み出せることもあります。
- お住まいの地域の「ひきこもり地域支援センター」、「市区町村の福祉課、生活支援窓口」、「精神保健福祉センター」などの、公的な窓口を活用するのも有効です。
社会復帰への一歩
急な環境の変化は心身ともに負担が大きく、行き詰まってしまい再び自己嫌悪に陥ってしまうことも考えられるため、自身のペースを優先しながらゆっくりと取り組める活動から参加していきましょう。
・就労継続支援B型事業所※1の利用を始める。
・ユネスコジャパンに参加し社会貢献活動を通して自己有用感を高める。
1日1時間や、週に1回の活動が可能であるため、自身の障害や体調に合わせて調整しながら働くことができ、少額の収入(工賃※2)を得ることもできます。どちらも利用を開始するためには「障害福祉サービス受給者証※3」が必要になるため、まずは受給者証の取得を目指しましょう。
ユネスコジャパンは「障害福祉サービス受給者証」をお持ちでない方であっても、「身体障害者手帳」、「療育手帳(愛護手帳、愛の手帳、みどりの手帳を含む)」、「精神障碍者保健福祉手帳」のいずれかをお持ちであれば、簡単な登録後すぐに、清掃活動に参加することが可能です。
※1障害福祉サービス受給者証をお持ちの方のみ利用可能。
※2工賃についての詳しい説明はこちらをご覧ください。
※3障害福祉サービス受給者証の詳しい取得方法はこちらをご覧ください。
以上のステップを段階的に踏むことによって、少しずつ社会復帰を目指していきましょう。焦らず自分のペースで進めば大丈夫。就労継続支援事業所への通所やユネスコジャパンの活動を通して、少しずつ外の世界とつながっていきましょう。
ユネスコジャパンからのメッセージ
現代社会への生きづらさを感じ、安心安全な自宅に避難し、自身を守るために引きこもる。何の問題もなく過ごしている日々のなかで、ふとした瞬間に、自身の生活の行く先がふと頭をよぎり、とてつもない不安感に襲われる。しかし、一人ではどうすることもできず、静かに悩み苦しみながら、それでも変わりたいと願っている人がいます。
不安要素を多く抱えた現代社会で生きる私たちは、自分自身もしくは近しい存在が引きこもり状態や障害を抱える可能性を孕んでいます。そのような情勢の中でも、「ありのままの自分を受け入れてくれる」、そして「ありのままの自分でも地域へ貢献することができる」という安心感のある社会をつくる必要があるのではないでしょうか。
ユネスコジャパンは、全ての人々が社会の一員として尊重され、自分の力を発揮できる社会を目指しています。あなたも、私たちと一緒に活動し、社会に貢献しながら、自己成長を果たしてみませんか?
社会とのつながりを取り戻すための一歩をユネスコジャパンが応援します。
未来への展望
ユネスコジャパンの活動は、未来に向けた長期的なビジョンに基づいています。私たちは、日本の豊かな自然と文化を守り、全ての人々が活躍できる包摂的な社会を作るために、今後もさらなるサポートの充実を図っていきます。これらの活動を持続的に行うためには、私たちの活動に共感していただける方からのご寄付やボランティアが必要不可欠です。
ぜひ、あなたのご支援を通じて、ユネスコジャパンの活動を応援し、持続可能な社会の実現に向けた一歩を共に踏み出しましょう。